ブロック行列の逆行列(応用1・ブロック三角行列)
ブロック行列の逆行列は、ブロック行列を
- ブロック対角行列
- 対角成分が単位行列のブロック三角行列
の積に分解し、次の3種類の逆行列公式を用いて計算する。
(応用1-1)上三角ブロック行列
というパターンである(ただし、小行列について、逆行列が存在しているとする。)
このブロック行列はブロック対角行列とブロック三角行列の積で表されるとして、
と表す。右辺の積を求めると、
となる。あとは最初の式と比較すると、なので、
となる。したがって逆行列の積の公式を用いると、
となる。なお求められた逆行列は、もとの行列に対して左からかけても右からかけても単位行列になることが確認できる。
(応用1-2)下三角ブロック行列
というパターンである(ただし、小行列について、逆行列が存在しているとする。)
このブロック行列はブロック対角行列とブロック三角行列の積で表されるとして、
と表す。右辺の積を求めると、
となる。あとは最初の式と比較すると、なので、
となる。したがって逆行列の積の公式を用いると、
となる。なお求められた逆行列は、もとの行列に対して左からかけても右からかけても単位行列になることが確認できる。